True to Myself

【カンボジア】川向こうのトゥクトゥクドライバー 〜Sophea Phon〜

投稿日:2018年1月19日 更新日:

夜明けとともに火をおこしはじめ、夜9時を過ぎるまで食べ物を売り続ける市場の女性達。

同じく夜明けとともにどこからともなく現れ、道行く人にひたすら声をかけ、暇な時は近くの同業者と談笑。お腹が空いたら屋台のご飯をつまみ、疲れたら車体に吊るしたハンモックで休む。そんな、一見自由気ままそうなトゥクトゥク(三輪タクシー)のドライバー。

途中寝てしまって怒られることがあっても、夜通し同じ場所を守り続ける警備員。

生きるように働く
息を吸うように働く

とにかくよく笑う彼らは、
何を思って生き、働いているのか?

カンボジアの日常からお届けします。

Sophea Phon(31歳)
出身地:プノンペン特別市
居住地:カンダール州
職業:トゥクトゥクドライバー
家族:妻、娘7歳、娘2歳

原点はホテルの仕事。英語も運転も勝手に学んで身につけた

 

学校は中学校までしか出ていない。7歳の時に父親が亡くなって、うちには勉強するお金がなかったからね。家族は母と弟と妹だけだったから、長男の僕が家計を支えなきゃいけなかった。

これまで色んな仕事をしたよ。学校を卒業してから、海沿いのシアヌークビルでホテルのアシスタントレセプショニストとして4年間働いた後、プノンペン郊外に戻ってきて10年以上になる。トゥクトゥクドライバーのほかには、レストランでデリバリーの仕事をしたり、ガソリンスタンドで働いたりもした。

一番楽しかったのはホテルの仕事かな。外国人のお客さんと英語を話す機会がたくさんあって、英語が上達したからね。昔は今よりもっとよく話せたんだ。それからずっと英語を話す機会があまりなかったから、レベルが落ちてしまった。

実は、トゥクトゥクの運転もホテルで働いていた時に学んだんだ。

当時、近くを走っていたトゥクトゥクドライバーがホテルにトゥクトゥクを停めていた。本当のところ、そこは自動車専用の駐車場だったから、車を停めたいお客さんがいたらトゥクトゥクを動かさなきゃいけなかった。それで、僕が動かすのを手伝っていたんだ。

 

トゥクトゥク業界の変化を横目に。今、新しいビジネスを考えている

最近はトゥクトゥクに乗るお客さんを見つけるのが難しくなった。

なぜなら、スマートフォンからトゥクトゥクを配車できるアプリが流行っていて、配車会社に登録しているトゥクトゥク車がたくさん走っているからね。本当に色々な会社のアプリがあるよね。メーター制だからお客さんは運賃交渉をしなくていいし、しかも安いから人気がある。

でも僕は今のところ、そういうサービスに登録する予定はないな。
登録すると、運転席と座席が一体型の専用車を使う必要があるけど、ああいった車体はだいたい中国かインド製なんだよ。もし壊れても、その辺で専用パーツが売っていないから簡単に直せない。

それに比べて、僕が乗っているような普通のバイクに座席をつけただけのトゥクトゥクは、壊れても近くで新しい部品を買って付け換えればいいだけだから、心配いらないんだ。

これからもトゥクトゥクの運転は続けると思う。
でも正直、収入は十分じゃない。

それで今、地方から果物や野菜を運んできてプノンペンで売るビジネスも考えているんだ。
とはいえ、これがなかなかハードでね。朝、果物や野菜を複数の民家から回収して、夕方にはプノンペンに到着していないといけない。1日仕事になるよね。すごく忙しくなるけど、簡単にお金に変えやすいとは思っている。

地方で安く仕入れたものがプノンペンでは高く売れるんだ。

例えば、地方で1kg1,000リエル(約0.25米ドル)で仕入れたものがプノンペンでは1kg1,500リエル(約0.375米ドル)で売れる。

だけど、1人じゃキツくて到底回せないね。3~4人は人手が必要だと思う。

荷物を1トン位積める大きな車が必要だし、車を船に積む人も必要だからね。
そう。僕は毎日、トゥクトゥクと一緒に船で川を渡ってプノンペンまで通っているんだ。

 

夢ってなんだろう?

 

僕が住んでいる地域の人達はお金を使わないから、お客さんはもっぱらプノンペンで見つけているよ。田舎はプノンペンに比べて道も悪いしね。

休み?特に決まった曜日には休んでいないよ。普段は午後から出勤だから、僕の休みは朝の時間だけ。奥さんはプノンペンのレストランの調理場で働いているんだけど、早朝に出かけて行ってしまうから、朝は僕が子供たちの面倒を見ないといけないんだ。あとは家の掃除をしたりしている。

趣味はバレーボールかな。20代前半の頃は強かったんだよ。近所によく一緒に遊ぶ友達が4人位いてね。すごくいいチームだった。

でも、今はもう昔ほどパワーがなくて、1時間くらいやっているとすぐ疲れちゃうんだ。

食べている時が一番幸せかな。
20代の頃は、毎日今よりもっと忙しく働いていてパワーが必要だったから、大きなライスを1回で食べられたけど、今はもうそれを1日3回に分けて食べている感じだよ。今は昔ほど一生懸命働いてないから、そんなにパワーも必要ない。

好きな食べ物はチキン。ポークはあんまり好きじゃない。ベトナム産の豚がカンボジアで売られているから。
奥さんが作る料理はなんでも美味しいよ。

たぶん、70歳位になって、もう働けなくなった時が人生で一番幸せなんじゃないかな。

 

夢は…うーん、分からない。

今は夢と言えるものはないかなぁ。

(Interviewed & Written by HARU)

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